性感染症がうつるメカニズム

性感染症の定義は「性的接触により感染する可能性のある感染症」という広いものです。もちろん、性交は代表的な感染機会に相当しますが、感染が成立するプロセスは、性的な接触により、

① 一方の粘膜に含まれる病原体がもう一方の粘膜に移動して感染する場合

② 粘膜が擦れあって傷がつき、小さな傷から病原体が体内(血液中)に入り込む場合

に分かれます。

感染力の強いクラミジアや淋菌、マイコプラズマなどが①に分類され、(感染力の強い性感染症はこちら→「高頻度6種はこれ」にリンク)性器以外にも咽頭(のど)に容易に感染するため、感染経路のバリエーションが増えています。

②ではHIVなどの血液感染症が代表的ですが、性行為で感染する性質から性感染症としても分類されます。もともと男女間性交による感染性は必ずしも高くありませんが、①の感染がある場合、患部が炎症を起こしているため出血しやすく、格段に感染性が高まることが知られます