AMR淋菌
古典的な性病である淋菌感染症(淋病)では、かつて使用されていたペニシリン系抗菌薬に対する耐性(AMR)化が進行した結果、今では、ほぼ100%の淋菌に効果が見られなくなっています。
代わって、多様な抗菌薬が淋菌治療に使われて来ましたが、更なるAMR化はとどまることを知らず、最近では複数の薬剤が効かないスーパー耐性淋菌も出現しています。効果の出る抗菌薬が限られてしまうため、年々、淋菌治療が難しくなってきているのが現状ですが、“まだ”効果の出る抗菌薬は存在します。これ以上のAMR化を阻止するためにも、的確な抗菌薬で確実に治療することが重要です。
「AMRお薬チョイス」では、感染が判明した淋菌について、代表的な抗菌薬であるマクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系に対するAMR遺伝子解析を行います。日本に広がっている淋菌では、いずれの抗菌薬に対しても50~80%以上という高い頻度でAMR化が認められますが、これらの中からAMR化していない抗菌薬の系統を見つけ出すことができれば、難しい淋菌治療に効果的な選択肢が提供されます。