AMRマイコプラズマ
マイコプラズマは比較的最近になって性病と認識されるようになりました。非淋菌性非クラミジア性尿道炎/子宮頚管炎の原因のひとつとして知られますが、尿道炎の多くは、病原菌を特定しないまま抗菌薬が使われてきました。
尿道炎用の代表的な抗菌薬としてマクロライド系抗菌薬であるアジスロマイシン(ジスロマック)が挙げられます。マイコプラズマには、もともとマクロライドが効きやすいタイプ(マイコプラズマ・ジェニタリウ
ム)と効きにくいタイプ(マイコプラズマ・ホミニス)があるため、遺伝子解析によるアジスロマイシンの効果予測は治療戦略に有益です。
アジスロマイシンに次いで尿道炎に使われるのは、ニューキノロン系抗菌薬のレボフロキサシン(クラビット)でしょう。アジスロマイシンが効かないタイプのマイコプラズマでは、ニューキノロン系抗菌薬が切り札になるため、その耐性(AMR)を調べることは治療のための有効な手立てとなります。
「AMRお薬チョイス」では、感染が判明したマイコプラズマについて、アジスロマイシンに対する感受性を判定するとともに、ニューキノロン系AMR遺伝子解析を行います。すなわち、アジスロマイシンやレボフロキサシンの有効性を予測することで、確実な治療につなげることが期待できます。