ウレアプラズマは最近になって性病と認識されるようになりましたが、現在のところ、治療は保険適用されていません。ウレアプラズマは治療が難しい性病のひとつで、数カ月に及ぶ治療でも完治しないケースが見られます。長期にわたる抗菌薬治療は、薬剤耐性(AMR)を生み出す温床にもなり、より治療の難しいウレアプラズマが広がることも警戒されます。

ウレアプラズマは、非淋菌性非クラミジア性尿道炎/子宮頚管炎の原因のひとつですが、治療が保険適用外のため、多くの場合でウレアプラズマと特定されることなく抗菌薬が使われています。

尿道炎用の代表的な抗菌薬として、マクロライド系抗菌薬であるアジスロマイシン(ジスロマック)とニューキノロン系抗菌薬のレボフロキサシン(クラビット)が使われますから、これらの抗菌薬に曝されながら生き残ってきたウレアプラズマが存在してもおかしくありません。そこで、当検査所において検出されたウレアプラズマを遺伝子解析したところ、これらの抗菌薬に対するAMR変異が高頻度に検出されました。

これらのAMR化が、ウレアプラズマの治療がうまく行かない理由になっている可能性があるため、「AMRお薬チョイス」では、感染が判明したウレアプラズマについて、マクロライド系およびニューキノロン系AMR遺伝子解析を行います。これにより、アジスロマイシンやレボフロキサシンの有効性を予想できますので、難しかったウレアプラズマの治療に有効な選択肢が提供されます。