誤解の多い予防法
性感染症予防の基本はコンドームの着用です。しかし、コンドームで完全に予防できるわけではないことを知っておきましょう。
性感染症と聞くとエイズ(AIDS)をイメージする方は多いかもしれません。確かに、AIDSの原因ウィルスであるHIVは重要な性感染症に分類されますが、その感染力はあまり強くありません。実際に性交渉によるHIV感染は、コンドームの使用によりほぼ100%防ぐことができます。
一方、感染力が強いために爆発的に広がっている多くの性感染症では、コンドームによる感染予防は限定的です。強い感染力のため、感染経路がコンドームで完全に遮断できないのです。
このような性感染症は、キス程度の粘膜接触でも簡単に感染する強い感染力を持ち、性器以外にも咽頭(のど)への感染が頻繁にみられるようになっています。
性感染症の予防にコンドームの使用は強く推奨されますが、感染リスクが高いパートナーとの性的接触には注意が必要で、コンドームでの完全な感染予防は難しいと認識しておきましょう。