性感染症としては、マイコプラズマの一種、マイコプラズマ・ジェニタリウムが日本で は2022年から保険適用となっています。しかし、別種のマイコプラズマ・ホミニスおよびウレアプラズマ類は未だ保険適用されていません。そのため、これまで知名度が低く検査も普及していませんでした。最近では、性感染症においての重要性が認識されはじめ、保険適用外(自由診療)で、マイコプラズマ及びウレアプラズマの検査を扱うところが増えています。

 これらは他の性感染症と同様、性行為や性行為に準じる行為によって感染が広がりますが、キスなどでも感染する強い感染力が特徴です。1回の性交で感染する確率は30~50%といわれており、検査が普及してないこともあって、無自覚な感染者数は相当なものと考えられます。

 症状は性器クラミジアや淋病によく似ており、男性では尿道炎として症状が出やすい一方、女性では無症状であることが多く、気付かないままパートナーに感染を拡げていきます。

 違和感があるにもかかわらずクラミジアや淋菌の検査で陰性であった場合、マイコプラズマやウレアプラズマが疑われます。また、他の性感染症との重複感染も多く見られます。

 未治療で放置した場合、感染が子宮から卵管にまで進行し、卵管が癒着して排卵ができなくなります。将来の不妊や子宮外妊娠といった深刻な健康問題を引き起こすので、早期に治療することが望ましいです。
 オーラルセックスでも容易に感染するので、行為後に咳が出たりのどに違和感を感じたら検査をお勧めします。

 検査で感染が判明した場合、早期であれば抗菌薬を飲むだけで完治します。しかしながら、治療が遅れて生じた子宮や卵管の損傷は容易に回復しません。一刻も早い治療が必要です。