年代別傾向
性感染症は年代や症状によって異なる特徴があります。若い年代では細菌性感染症が多く見られ、年齢が上がるとウイルス性感染症が増える傾向があります。症状は感染症の種類によって異なりますが、多くの場合無症状であることがあります。早期の検査と治療が重要であり、予防策の実施も不可欠です。いったい、どのようになっているのでしょうか?
年代別傾向
性感染症は、さまざまな年齢層で見られますが、特定の年代における傾向も存在します。
以下に一般的な性感染症の年代別の傾向を示します。
10代〜20代初頭:
この年齢層では、新たな性体験を積み重ねることが多く、性感染症のリスクが高まります。特に、若者は性教育や保護具の使用に関する知識が不足していることがあります。そのため、クラミジア、淋病、ヒトパピローマウイルス(HPV)、そして初期のHIV感染などの性感染症が一般的です。
クラミジア、
淋病、
ヒトパピローマウイス(HPV)、
初期のHIV感染などの性感染症
20代〜30代:
この年齢層でも、性感染症のリスクは依然として高いです。セックスパートナーの数が増え、長期的なパートナーシップに移行することもあります。この時期には、クラミジア、淋病、HPV、ヘルペス、そしてHIVなどの性感染症が見られる可能性があります。
クラミジア、
淋病、
HPV、
HIVなど
30代〜40代:
この年齢層では、多くの人が安定したパートナーシップを築いていますが、それに伴い性感染症のリスクも存在します。パートナーの不正行為や、以前の感染症の再発などにより、クラミジア、淋病、HPV、ヘルペス、そしてHIVなどの性感染症が見られることがあります。
クラミジア、
淋病、HPV、
ヘルペス
HIVなど
40代以降:
一部の人々は、性的活動の減少やパートナーシップの安定化により、性感染症のリスクが低下するかもしれません。ただし、この年齢層でも性感染症は発生する可能性があります。また、50代以降の女性には、更年期による組織の変化によって尿道感染症(尿道炎)のリスクが増えることがあります。
尿道感染症 (尿道炎)
以下は、日本における女性のクラミジア罹患率の年代別リストです。
• 10代:約9.5%
• 20代:約14.3%
• 30代:約14.4%
• 40代以上:約10.6%
国立感染症研究所「平成28年版 性感染症患者報告状況」
この報告書によれば、女性のクラミジア感染は、特に10代から30代の若い女性で高い傾向にあります。
また、報告されたクラミジア感染症のうち、女性が占める割合は非常に高く、男性の約2倍にもなっています。